寒い冬、どうやって赤ちゃんと寝ていますか?赤ちゃんがいる家庭での寝具の注意点や、温度の話をさせていただきます。

記事の著者  

のんびり子育て中のママ女医   HAL先生

内科医。大学病院研修中にうつ病を発症し、数年間療養生活を経て復帰。その後、病気の間支えてくれた医者の夫と結婚し、娘を出産。現在は田舎で夫、3歳の娘と暮らす。自身の出産・育児の日々をもとに、医学的なエビデンスを交えて育児情報・ニュースなどをブログで発信。またTwitterでは、娘との会話や、ほっこりあたたまる育児エピソードも紹介し、注目を集めている。

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大人の寝具は赤ちゃんには危険ってご存知ですか?

寒くなってきましたね! 赤ちゃんがいるご家庭では、「赤ちゃん、寒くて風邪ひかないかな……」「夜の授乳が寒過ぎて辛い……」そんな季節かと思います。さて、本当に寒いのですが、特に添い寝をしているご家庭では「寝具」には是非注意していただきたいと思います。

大人のふわふわ暖かい布団……実はこれは赤ちゃんにとっては凶器になりかねません。柔らかい寝具に埋まり込んでしまうと、赤ちゃんは鼻や口を塞がれて窒息してしまったり、SIDS(乳児突然死症候群:それまで元気に育っていた赤ちゃんが、何の前触れもなく突然死んでしまう病気、窒息とは異なる。うつぶせ寝、あたためすぎ、ふわふわの寝具、親の喫煙などが危険因子としてあげられる)のリスクをあげる事になります。

2016年10月に消費者庁から、「0歳児の就寝時の窒息死に御注意ください!」という注意喚起が出ました(※)。これによると”平成22年から平成26年までの5年間で、0歳児の就寝時の窒息死事故が、160件(不慮の事故死全体[502件]の32%)”あり、中でも多かったものをいかに記します。

• 顔がマットレスなどに埋まる(33件)

• 掛け布団等の寝具が顔を覆う・首に巻き付く(17件)

• ベッドと壁の隙間などに挟まれる(13件)

• ベッドからの転落に起因する窒息(7件)

• 家族の身体の一部で圧迫される(5件)

• ベッド上の衣類やクッション等で顔を覆われる(4件)

日本は添い寝の文化がありますので、大人用の寝具で一緒に寝ている家も多いと思います。しかし、大人用の寝具は赤ちゃんにとっては危険であるという事は、是非知っておいていただきたいと思います。

(※消費者庁ホームページ「0歳児の就寝時の窒息死に御注意ください!」http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/161024kouhyou_1.pdf)
赤ちゃんの寝る部屋を安全にするために

更に消費者庁からは2017年11月に、ベッドからの転落事故防止とその際に使用するベッドガードについての注意喚起「0~1歳児の大人用ベッドからの転落事故に御注意ください!」も出ています(※)。

2つの注意喚起を合わせると、寝る時の注意点は以下のようになります。

•大人用ベッドにはできるだけ寝かせず、ベビーベッドを使用する(満2歳程度まで)ベビーベッドの柵はあげておく

•掛け布団は子供用の軽いものを使用し、敷き布団も硬い子ども用のものを使用する

•寝ている子どもの顔の近くには、枕、タオル、衣服、よだれかけといった、寝ている間に口や鼻を覆ったり、首に絡み付くようなものを側に置かない

•1歳になるまでは、必ずあおむけ寝をさせる

•大人用ベッドで寝かしつけをする場合は、子どもを一人にせず、寝かしつけた後はベビーベッドに移動させる(親が寝込んでしまうと、親の寝返りに巻き込まれてベッドから転落したり、親に押しつぶされる事がある)

•寝室に子どもが挟まる隙間を作らない

•大人用ベッド周辺に柔らかい毛布やクッションをおかない(落下防止にと置いておくと、柔らかいもので窒息などを起こす事がある)

•大人用ベッドに取り付ける幼児用ベッドガードは1歳半まで絶対に使用しない(ベッドガードとベッドの隙間に挟まり、抜け出せずに窒息する危険があるため。死亡事故も出ています。対象年齢をチェックしましょう)

一度、ご自宅の寝室の安全確認をしてみてください。

さて、それではベッドではない普通の布団での添い寝ではどうかと言いますと、基本的には上記の注意事項と同じです。転落の危険がない分安全ではありますが、親による圧迫に気をつける、大人用の寝具が赤ちゃんにかからない様にするなどの注意は必要になりますのでご留意ください。添い寝をしていても、赤ちゃんには赤ちゃん用の寝具を使用してあげてください。

(※消費者庁ホームページ「0~1歳児の大人用ベッドからの転落事故に御注意ください!」 http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/consumer_safety_release_171108_0001.pdf)

寝具だけではなく室温も調節して寒さ対策を

「でも、子ども用の布団って軽いし寒そうで……」

「寝ている間に布団から飛び出しちゃうし心配……」

という方。是非、室温の調節をしてみませんか?大人だけであれば、夜は暖かい寝具さえあればなんとか過ごせるという寒さかもしれませんが、同じように寝具だけで温度調節をしようとすると、赤ちゃんにとっては危険な睡眠環境になってしまいます。また、うつ熱と言って「寒そうだから」と赤ちゃんを過度に温めると、身体に熱がこもってしまい、SIDSの危険が増してしまいます。寝具や着るものだけで寒さ対策をするのではなく、暖房器具を用いた寝室の温度調節をしてみましょう。

室温については、様々な要因が絡んでくるので、何度が適温かという基準をなかなかお示しできません。厚生労働省の「2012年改訂版 保育所における感染症対策ガイドライン」によると”季節に合わせ適切な室温(夏期26~28°C・冬期20~23°C)、湿度(約60%)の保持”となっていますので(※)、(少なくとも感染症の観点からは)20〜23℃程度を目安とするといいかと思います。温め過ぎは厳禁です。

因みに我が家は、夜はオイルヒーターを使用して、17〜18℃にしていました。赤ちゃんの手足が冷たい!と慌てて全身を温める必要はありません。背中に手を入れて、温かければ大丈夫。逆に汗をかいていたり、触って「なんだか熱いな」と思う時は温め過ぎです。

(※厚生労働省ホームページ「2012年改訂版 保育所における感染症対策ガイドライン」    http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/pdf/hoiku02.pdf)

辛い冬の夜の授乳対策にも……

また、この時期は、夜中の授乳も寒さ対策が必要になってきます。いかに服装を工夫しても、寒い部屋で胸を出しているとかなり寒いんですよ。いくら添い乳であっても、万が一寝落ちした時の事を考えると、赤ちゃんを布団にもぐらせるわけにもいかないので、ある程度布団から出て授乳する事になるんですよね……。室温が低すぎると、それだけで夜中に毎回苦痛を味わう事に……。なにせ、授乳は毎日の事です。ただでさえ細切れの睡眠で、疲労がたまっている上に、夜中に凍えて疲労困憊のママも多いのではないでしょうか。

我が家も同じです。更に娘は娘で布団から抜け出す天才でしたので、もうね、それを布団に戻す作業で、更に眠れないんですよ。授乳だけでも睡眠不足なのに、これじゃ無理。もう限界。「このままじゃ耐えられない!」と、夫と相談しました。

結果、オイルヒーターを購入しました(寝室に暖房がついていない賃貸アパートだったので)。夜間のみ、17〜18℃にしました。すると……寒くない!そう、寒くないんです。決して暖かくはないんですが、寒くない。寒くないだけで、夜のストレスは激減しました。

オイルヒーターは「子どもが触っても熱くない(機種によりますが)」「乾燥しない」という点で、赤ちゃんがいるご家庭には個人的にお勧めしております。電気代は高いと言われますが、毎日夜間上記の温度設定で、+5000円くらいでした(メーカーによっては、商品の紹介ページで電気代の計算ができますので、検索してみてください)。

私個人の感想としては「毎晩の授乳の苦痛&赤ちゃんの心配がなくなるなら、5000円ならあり」です。それから、布団の下に子ども用のプレイマットを敷くのもかなりお勧めです。床から伝わる寒さを激減させますよ。

ママと赤ちゃんがリラックスできる空間を

お金の問題も絡みますし、なかなか難しい赤ちゃんと過ごす冬の夜の寒さ対策。しかし毎日の事ですし、命にも関わる事ですから、是非赤ちゃんが安心して寝れる環境づくり、ご家族で考えてみてください。

それから、毎日の授乳でクタクタのお母さん方。「今だけ」の話ではありますが、その「今だけ」を、あまり我慢せずに過ごせる事をお祈りしています。寒い毎日ですが、少しでもリラックスした夜の授乳ができますように。
(HAL)

※記事内の画像はすべてイメージです

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Source: Ameba News

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