総合格闘技PRIDEの系譜を継いだ、RIZINの大みそかイベントが今年もやってくる。12月29日と31日に、さいたまスーパーアリーナで開催される「RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2017」。ド派手な演出と迫力の戦いの連続。年々ますます盛り上がりを見せるこの大イベントについて、RIZIN統括本部長の髙田延彦氏に話を聞いた。

◆見どころは「裸体」!?

 大みそかのRIZINは、オープニングからファンを非日常へと誘う。先導者は、他でもない髙田本部長本人。この日のために作り込んだ逞しい肉体を披露し、「男の中の男、女の中の女、出てこいや~!」と呼びかけ、出場選手たちが登場する。自ら文字どおり「ひと肌脱いで」、大会のボルテージを一気に高める。

 今年で御年55歳。パリッと着こなしたスーツ姿に、張りのある声で話す姿は、エネルギーの塊のようだ。大みそかに向けて、今年も魅せてくれるのですねと問うと、高田氏は、

「裸体をね!」とよく通る声で即答。「お見せしなきゃいけないもんですから。汚い身体をね。もう恥ずかしくて恥ずかしくて、しょうがないですよ」と意外にも恐縮しきりに続ける。聞けば、ここ3か月ほどペースアップして、身体を作り込んでいるそう。「55(歳)になったら、炭水化物なんて食ったら増量ですよ」。当然、食べる物も節制し、大好きな麺類も封印しているそう。

 まるで自らに言い聞かせているかのようで辛そうだが、そこには流儀がある。「そろそろ選手も一番キツい時期に入ってくるんですよ。ここらで疲れを取りながら、体重を落とすっていうね。それに比べたら、私の場合は戦うわけじゃないから屁でもない。(同じように体重を落としていくことで)勝手に選手に寄り添っているんです!」と言い放つ。

◆“神童”那須川天心、“ツヨカワQUEEN”RENA、UFC帰りの堀口恭司

 大会で最も注目を集めているのは、“ツヨカワQUEEN”のRENA、“神童”那須川天心、そしてUFCで活躍していた“メジャーリーガー”の堀口恭司、といった名実トップのファイターたちだろう。

 RENAが今回のトーナメントで優勝の大本命として期待されているのは、29日配信の独占インタビューに譲るが、若干19歳の天才ファイターである那須川も、同日に行われる「KICKワンナイトトーナメント」での優勝が期待されている。那須川は、まずWPMF日本スーパーバンタム級王者の浜本“キャット”雄大と対戦。勝てば、パンクラス・ストロー級王者の砂辺光久と“元アマチュアボクシング5冠王”藤田大和の勝者と決勝戦で戦う。

 10月の福岡大会で記憶に残る激戦を繰り広げた那須川と藤田の再戦が決勝で適うのか、また新たなスターの原石が生まれるのか。

 高田氏はこう解説する。

「(藤田との試合では)あの那須川天心が、初めて、セコンドのお父さんの声が聞こえなくなってたんです。つまり、ちっちゃなパニックに陥ったんです」と那須川を過去最も追い詰めた、藤田の底知れぬポテンシャルを称える。

 誰よりも世界的知名度のある堀口は、29日と31日に分けて行われるバンタム級トーナメントに出場。ここには各国から集結した8人の猛者たちが居並ぶが、堀口こそが優勝筆頭候補と期待を寄せられている。

 高田氏は「UFCを越えるんだって意気込む彼が、ここで王冠を手にすれば、また一人スーパースターが生まれることになる。その後は、必ず堀口効果が出てきますから」と計り知れない波及効果に思いを馳せる。

◆「よくぞ受けた五味隆典!」

 さらに高田氏は続ける。

「あと忘れていけないのは、五味(隆典)対矢地(祐介)。今までオクタゴンだったベテランの五味が、日本人で若く一番の昇り龍で、3連続KOで勝ってる強い矢地とやるんです。普通、(五味の)心情からしたら嫌ですよ。1、2試合やってリングに慣らしたかったはず。なのに、よくぞ真っ向から受けたなと。ここに賛辞を贈りたい」

 PRIDE時代に10連勝を収め、ライト級王者に輝いた経歴を持つ五味も39歳。RIZINは初参戦となる。対する矢地は、かつての五味を思わせる勢いと強さをみせている25歳。新旧のエースがガチンコで殴りあうことは必至だ。

 この対戦カードには、RIZINのスタイル、そして五味への敬意が詰まっているという。

「やはり五味ほどのキャリアの選手には、知らない外国人との対戦だと『勝たせるため』とか『格下を当てた』とも言われかねない」と。矢地にとって五味は、中学時代にTVでその戦いを見て憧れた存在。だが、この試合に際し、「おいしく頂きます」と宣戦布告した。これについても、「彼が大人しいタイプだったら、これだけヒート(アップ)しませんから」と高田氏は頷く。

 五味には日本のファンへの思いもある。またそれは、ミルコ・クロコップも同じだ。

「ミルコは、1年後に日本で引退するって言ってくれてるんです」。そのミルコは、RIZIN旗揚げとともに現役復帰した日本ヘビー級パイオニアの高阪剛と対戦する。日本人はミルコに過去全敗だが、果たして……。

 加えて高田氏が推すカードは、スペシャルワンマッチのイリー・プロハースカ対カール・アルブレックソンだ。RIZIN重量級で豪快なKO劇をみせるプロハースカに、「天パの海賊」ことフィニッシュ率100%のアルブレックソンが激突するのだ。「二人とも激しいから、ものすごい試合になると思う」と力強く言う。

 年末のRIZINはドラマに満ちたカードが盛りだくさんだ。

「RIZINが始まって、年末のイベントは3回目。まだ3年過ぎてない。昔の人はよく言ったもんで、『石の上にも3年』ってね。僕はPRIDEもRIZINも生き物だと思ってるんです。だから、この生き物がどういう風に成長して、どれだけ進化して、どれだけ世間の人にアピールできるような表現力のあるイベントになるか、楽しみで楽しみでしょうがないんです」と高田氏は目尻に皺を寄せて笑った。<取材・文/松山ようこ 撮影/渡辺秀之>

【高田延彦】

’62年、神奈川県横浜市生まれ。’80年新日本プロレス入門。翌’81年デビュー。その後UWFインターナショナルなど数団体を経て、総合格闘技PRIDEのリングに闘いの場を求め、数々の名勝負を繰り広げる。なかでも、97年、98年の二度に亘るヒクソン・グレイシー戦は、格闘技界にとどまらず大きな注目を浴びた。’02年で現役を引退。現在、タレントとして活躍する一方、髙田道場代表として子どもから大人まで分け隔てなく身体を動かす場として道場を開放している。また、’06年からDKC(ダイヤモンド・キッズ・カレッジ)を主宰して、幼稚園児、小学生に“身体を動かすことの楽しさ”を教えるために、マット運動を中心にアマチュアレスリングの要素を取り入れた体育教室を、全国各地で展開している。2015年総合格闘技イベント「RIZIN FIGHTING」の統括本部長としての活動をスタート。instagram(@takada_nobuhiko)

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Source: Ameba News

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