フランス映画界の生ける伝説ジャン=リュック・ゴダール監督が、2番目の妻である女優アンヌ・ヴィアゼムスキーと過ごした日々を、『アーティスト』(11)でアカデミー賞に輝くミシェル・アザナヴィシウス監督が描いた『グッバイ・ゴダール!』(公開中)。本作で主人公アンヌ役を演じたステイシー・マーティンに、17年10月5日にこの世を去ったヴィアゼムスキーから受けたインスピレーション、そして現代の映画界におけるゴダール監督の位置付けについて聞いた。

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本作の舞台はベトナム戦争が激化し、ヌーヴェルヴァーグが衰退の一途をたどっていった60年代後半。世界中から注目される映画監督ジャン=リュック・ゴダールの新作『中国女』(67)の主演に抜擢された19歳のアンヌは、映画作りの日々とゴダールという才能に魅了されていく。そんななか、パリの街ではデモ活動が激しくなりゴダール自身も革命に傾倒。そして“五月革命”が2人の運命を変えていくことになる。

「私の一番好きな映画が、彼女が主演した『バルタザールどこへ行く』なの」と、ヴィアゼムスキーのデビュー作を観て以来、彼女の影響を受けていたことを明かすステイシー。「女優としての彼女は、すごく些細な動きで感情を表現できる人。だけど彼女に物書きとしての顔があることは、本作にかかわるまで正直知らなかったです」。

本作の原作はヴィアゼムスキーが綴った自伝「それからの彼女」。女優業を引退したのち、ロベール・ブレッソン監督との関係性を活写した「少女」や自身の家族をモチーフにした「愛の讃歌—愛さえあれば」など作家として活動を続けてきたヴィアゼムスキー。ゴダールの作品に魅了された少女が、彼との出会いからの1年間を綴った「彼女のひたむきな12カ月」の続編に当たる同作は、さらに2人の関係性を深掘りしていく。

「ゴダールとの記憶は痛みがともなったでしょうし、恨み言の一つもあって当然だと思っていたのだけれど、彼女はすごくエレガントに、物語として自身の経験を綴っていました」と、ステイシーは憧れの女優の知られざる一面を目の当たりにした印象を語る。「彼女の性格や心情は、すでにこの物語にとても染み込んでいると感じたので、演じるうえで私自身が彼女のコピーをする必要はないと思いました」。

そう語るステイシーは本人役に挑むにあたり、あえてヴィアゼムスキーとは会わなかったという。「それは最初の段階で監督と話して決めたことです。本作で描くのは、ゴダールではなくジャン=リュックという1人の男性と、アンヌという1人の女性。あくまでもゴダール作品に出てくる女性たちのような、60年代のフランスに実際にいた女性たちを象徴する、抽象的な存在として演じました」と、役作りにおけるスタンスを明かした。

今年5月に行われた第71回カンヌ国際映画祭でゴダールは、新作『ザ・イメージ・ブック(英題)』を出品し、特別パルムドールという名誉を手にした。ヨーロッパを中心に活躍するステイシーの目に、巨匠ゴダール監督はどのように映っているのだろうか?ステイシーは一言「神様のような存在」であると語る。

「最も革新的な監督であり、フランス映画にアイデンティティをもたらした人です。先日のカンヌの会見にFaceTimeで参加した彼は、私たちの生きる現代社会におけるコミュニケーションの取り方に建設的な批判を提示していたのではないかと感じました」と語り、「彼の作品は50年経っても100年経っても、私たちの心に響くでしょう。私たち役者は、彼のような監督を必要としています」と結んだ。(Movie Walker・取材・文/久保田 和馬)

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Source: Ameba News

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