三菱一号館美術館にてスタートした『フィリップス・コレクション展』。世界有数の近代美術コレクションの中から秀作75点が来日し、2019年2月11日(月・祝)まで開催されている。

フィリップス・コレクションは、今からおよそ100年前、裕福な実業家の家庭に生まれたダンカン・フィリップスが創立した私立美術館。米ワシントンにある私邸を増築して開館したギャラリーから始まり、現在では4千点を超える近現代美術のコレクションを誇っている。

同展は、その稀代のコレクションから44名のアーティトによる彫刻・絵画75作品を紹介するもの。アングル、コロー、ドラクロワなど19世紀の巨匠から、クールベや近代絵画の父マネ、印象派のドガ、モネ、印象派以降の絵画を牽引したセザンヌ、ゴーガン、クレー、ピカソ、ブラックら、錚々たる画家たちの作品が並ぶ。

特筆すべきは、同展のユニークな展示構成だ。フィリップスが購入した年順で作品が展示されており、彼がどのようにモダン・アートを見据え、どのようにコレクションを発展していったのかを追体験することができる。

第1章は、開館前後の「1910年代後半から1920年代」。フィリップスが重要視していたギュスターヴ・クールベ《ムーティエの岩山》をはじめ、オノレ・ドーミエ《蜂起》、ピエール・ボナール《犬を抱く女》などが並ぶ。特にボナールは、フィリップスがアメリカにおける初の購入者であり、その後も展覧会や回顧展を開催したことから、彼にとって特別な画家だったことが伺える。

第2章は「1928年の蒐集」のみに焦点を当てる。セザンヌ《自画像》、マネ《スペイン舞踏》、ボナール《リヴィエラ》《棕櫚の木》など、彼の嗜好が色濃く反映されているのが見てとれる。

第3章「1930年代」は、ドーミエ、ボナールに続いてフィリップスが高く評価したジョルジュ・ブラック《円いテーブル》、パウル・クレー《養樹園》などが登場。また、長年コレクションに加えることを望み、36年に獲得したフランシスコ・デ・ゴヤの《聖ペテロの悔恨》にも注目したい。

第4章「1940年前後」は戦乱の時代だが、ドラクロワの《海からあがる馬》、ドガの《稽古する踊り子》などの蒐集を意欲的に続け、カンディンスキーやマティスなど色彩豊かな作品もコレクションに加えている。

第5章「第二次世界大戦後」で、フィリップスはゴッホの《道路工夫》、ゴーガンの《ハム》などを入手。またこの時期、ニコラ・ド・スタールに注目し、その後、北米で最も優れたコレクションを築くことになる。

第6章「ドライヤー・コレクションの受け入れと晩年の蒐集」では、前衛芸術を支援していたドライヤーの寄贈により、カンディンスキー、マルク、カンペンドンクなどを入手。ロダンやジャコメッティの彫刻、ピカソの絵画・彫刻作品と続き、亡くなる直前に購入したというブラックの《鳥》で、フィリップスの蒐集の旅は終わる。

表現的で色彩豊かな絵画を好み、強い信念と情熱を持ってコレクションを発展させていったフィリップス。そんな彼の目を通して見るモダン・アートをぜひ堪能してほしい。

【開催情報】
『フィリップス・コレクション展』
2019年2月11日(月・祝)まで三菱一号館美術館 にて開催

【関連リンク】
『フィリップス・コレクション展』
Source: ぴあ映画生活

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