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12月22日(土)に大阪・HEP HALLで上演される舞台「TERRA GIGANT」。「やっぱりサプライズが好き」と「『問う。』」、「贋作ラ・ラ・ランド」という3本の作品を上演します。主宰の堀川絵美に本公演について、インタビューしました。

――「TERRA GIGANT」ですが、3本の作品それぞれについて教えてください。

堀川 「やっぱりサプライズが好き」は私が脚本を書いたんですけど、女の子3人の芝居ということで「やっぱり猫が好き」を連想しました。でも、内容は全然かけ離れたものになっています。女特有のドロドロ感を出せたらいいなと思っていて。私も、出演するコンビの紅しょうがも普段から仲良しで。3人とも肉食系で、普段から男の話ばっかりしているんです(笑)。なので、日常会話をコメディに乗せたような。私はやっぱり歌とかダンスがすごく好きなので、歌とかダンスも織り込んだドロドロコメディになっているんじゃないかなと思います。もしかしたら男性はちょっと怖いかもしれないです(笑)。

――女の人が聞いたらめちゃくちゃ面白いでしょうね。

堀川 女芸人たちの間で「男にこんな復讐してやった」って笑う話でも、男芸人に言ったら誰も笑わなかったりするので、こんなに感覚違うんやと思って。みんな自分のことやと思って怖がっちゃうみたいで、その辺の差が面白いなと思います。私たち3人の実体験を入れている部分もあって。紅しょうがの稲田さんはNSC大阪の同期なんですけど、私の弟に手を出したことがあるんですよ…(笑)。そういう、なかなかないことをされる人が出ます。あと、紅しょうがは「THE W」の決勝に残っていて、それはすごく喜ばしいことなんですが、優勝されると12月10日以降稽古ができないので、それは困るなと思っているので2位くらいで注目浴びてくれないかなと期待しています(笑)。

――そしてプリマ旦那・野村さんが書かれた「問う。」。野村さんとの二人芝居で。

堀川 「問う。」は、野村さんに書き下ろしていただきました。普段から劇団コケコッコーや、それ以外でもご一緒させてもらっていて。今回夫婦のお話ということですが、まだ私は結末がどうなるか聞かされていないので、すごく楽しみにしています。2年前にも野村さんと「fifth」という二人芝居をやらせていただいて、その時も大どんでん返しがあって、お客様をびっくりさせる仕掛けがあったので、おそらく今回も何か待ち受けているんじゃないかなと思います。

――この夫婦の話というのは、野村さんが「これで行きます」とおっしゃったんですか?

堀川 3本くらい候補を出してくださって。3つとも全然毛色が違うものだったんですけど、その中でこれがいいんじゃないかなと二人で決めました。

――野村さんとは夫婦役ですね。

堀川 野村さんは3年先輩で、年齢は下なんですけど、お互い弟のような兄のような、姉のような妹のような感じです。野村さんとは、いろんな作品をやってきただけに、新しくどんなものができるか楽しみです。

――野村さんの演劇人としての手腕はどういうふうに受け止められていますか?

堀川 野村さんって、SNS とか普段の言動からすると、もしかしたら陰鬱としているイメージがあるかもしれないですけど、実はすごく温かみのある方で、書かれるお話もすごく優しい。人々の生活に寄り添うような、身近なところを書かれていて、誰もが共感できる場所があるというか。すごく人間味のある方なので、それがすごくお芝居に表れているなと思います。脚本を書かれる力が本当にすごいので、今後は映画の脚本とかもやってほしいなと思います。落語もされていて、なんでもマルチにされる方です。劇団コケコッコーも、もっと大きくしたいと思って、来年以降も計画中です。

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――そして「贋作ラ・ラ・ランド」ですが、ワクサカソウヘイさんが作・演出を担われています。

堀川 ワクサカさんはコラムニストで、私は芸人をやる前から雑誌「TVBros.」を買っておりまして、その中で連載されていたんですよ。ワクサカさんの連載はいつも声に出して笑うくらい面白くて。それで、元々ツイッターをフォローしていたんですけど、芸人になって3年目くらいの時に急に思い立ってダイレクトメッセージを送ったんです。「すみません、大阪に住んでいる芸人なんですけど、会いたいのですが、どうしたらいいですか?」って。普段、そういうことは絶対にしないんですけど、なぜかしてしまって。そしたらぜひぜひということで東京まで会いに行きました。同い年ということが判明して、話をしてもやっぱり面白くて。今度、面白いことを一緒にやりましょうとなって、その後、初めて単独をやった時に一人芝居を書いていただきました。それもすごく好評で、やっていて楽しくて。そのときぶりになります。

――「贋作ラ・ラ・ランド」は今回のために作られたんですか?

堀川 今年6月に東京で初めて単独をやらせていただいて、その時に一度、上演しているんです。出演する男性ブランコの浦井くんも同期で、元々大阪にいた子で、すごく仲良くて。お芝居も何度か一緒にやっていているので、ワクサカさんの本で一緒にやりたいなと思ってお願いして、書いてもらいました。これが結構好評だったんです。約30分間、バカバカしさの極みというか、何の内容もない30分なんですけど(笑)、なぜかラストシーンでお客様の大半が泣いていらっしゃったんですよ。「泣くんや!?」と私もびっくりして。実際、終演後にいただいたアンケートでも「自分がなぜ涙を流したのか分かりませんでしたが、感動しました」っていう声が結構、来ていて。それってどういう感情なんだろうと思い、これはぜひ大阪でもと。どんな反応になるのか知りたいと思っていたので実現しました。

――やはり映画「ラ・ラ・ランド」のような…?

堀川 「ラ・ラ・ランド」とは言っていますが、ほぼ関係ないと思ってください。衣装の感じとか、設定が夜の公園というぐらいです。

――堀川さんの舞台では、歌も聞きたいという方も多いのではないですか。

堀川 いつも私の単独ではオープニングに歌うんですけど、今回も1本目の芝居をやる前に歌をやろうと思っています。エンディングも歌で、今回はダンサーの男の子3人、みんな芸人さんですが出てもらって、彼ら含めて8人全員でエンディングは踊ります。野村さんは踊りが苦手でいらっしゃって、2年前に私の単独でもちょっとだけ踊ってもらったんですけど、もう動きがすごくダサくて(笑)。ファンの方が抱いている野村さんのイメージが壊れてしまうんじゃないかなっていうくらいなんですけど、今回も存分に壊していただこうかなと(笑)。振付はTAKE IT EASYの山根千佳さんにお願いしました。すごくかっこよくて。私たちがギリギリ踊れるレベル、ちょっと難しいんですけど、すごいかっこいい、かわいい動きをつけてもらっているので、エンディングもお客様に笑顔になっていただけると思います。

――3作品それぞれ、相手役の魅力はどういうところに感じられますか?

堀川 紅しょうがは、稲田さんとは同期でも一番の仲良しで、8年以上ずっと一緒にいますし、安心感がすごくあります。ただ、稲田さんはお芝居をあんまりしたことがなくて、どんな感じになるのか私も未知数ではあるんですけど、今回はほぼあて書きで。稲田さんってすごく変わっているんですよ。熊元さんの方がいじられているイメージがあるかもしれないですが、実は変なのは稲田さんで。ちょっとした変なところも魅力として出るのではないかと思います。熊元さんは力強さがありつつ、すごく女性なんです。女としての生き様というか、かっこいい後輩なので、そういう面がきっと出るのではないかなと思います。この3人で相乗効果を生み出せたらいいなと思います。

――役者としての野村さんは?

堀川 そうですね…時々佐藤浩市さんに見える瞬間があって(笑)。あれ? 佐藤さん!?ってなるので、「なにわの佐藤浩市」ということで(笑)。野村さんには渋みというか、そういうところがあるので。それと、お笑いの間(ま)も天才的ですし、毎回一緒にやらせていただくたび勉強になっています。気づきを与えてくれる人です。

――そして浦井さん。

堀川 浦井さんも、稲田さんと似ているかもしれないですが、安心感を与えてくれる人です。お客さんもそうやと思うんですけど、優しい気持ちになるというか、あったかいココアを飲んでいるような感じです(笑)。男性ブランコ自体がそうなんです。芸風もそうですし。優しい、温かい気持ちにさせてくれるので、どんなきつい口調のセリフでもすごく柔らかく聞こえるというか、不思議な魅力のある方です。あの柔らかさは何だろうな……毛布。毛布役者です。包み込んでくれるような(笑)。

――女優・堀川絵美としてこの作品にかける思いはいかがでしょうか?

堀川 私はピン芸人という肩書ではあるのですが、この2、3年くらいは一番やりたいことがミュージカルとかお芝居で。それをやるにあたっては実力も全然伴っていないし、経験も足りていないというところで、この舞台でも新しい引き出しを見つけていかなければと思っています。いろんな方に観ていただきたいですね。毎回来てもらったお客様に「お笑いのライブというよりエンタメショーを観た」とか、「チケット代が安すぎた」とか言っていただくことがあって、それを今回も言ってもらえるようにならなければと思っています。

――現時点で、ここは力を入れているというものはありますか?

堀川 今回は今までで一番、チラシに力を入れております。より多くの方の目に留まるように。お笑いファンの方だけでなく、演劇ファンの方にも観ていただきたいと思って…。私は東宝ミュージカルすごく好きで、紙質から帝国劇場や梅田芸術劇場で上演する舞台のチラシをイメージして作りました(笑)。

――そうですね。紙の厚みも違いますね。

堀川 はい、半光沢紙で作らせていただきました。私は、チラシはとても大事なものだと思っているので、まず人目に付くようなものを作って、来てくださった方には--お笑いからしたら前売3000円は高いんですけど、12000円くらいの価値のものをお見せしたいなと思っています。今後、女優と名乗っていきたいと思っているので、そうなるためにあたっては絶対に大事なステップだと思っています。

――堀川さんはよしもとに入ってから女優を目指すようになったんですか?

堀川 まず、よしもとに入ったのが、芸人をやりたいとも女優をやりたいとも思っていなくて、ノリやったんですよ。バスガイドが天職だったので。何度かbaseよしもとに観に行ってはいたんですけど、自分が入りたいとはこれっぽっちも思っていなかったんです。でも、25歳の時に沖縄旅行に行きまして、そこで当たる占い師さんがいると聞き、私はあまり信じないので冷やかしのつもりで行ったんです。手相と顔だけ見て何でも分かるっていう人で、私のことすごい当てて。「あなた、マイクを使う仕事してますよね?」「そうです、バスガイドしてます」「それ合ってますよ。でも26歳になったら絶対芸能界に入ってください」って言われて。「でも私、アイドルとかできないですけど…」って言ったら、「入り口はお笑いがいいと思います」って言われて。で、まあ、捨てるものもないし、いいかなと思って。バスガイドって何歳になってもできるといえばできるので。ただ、私は貯金をしたことがなくて、NSCに入るお金を親に借りなくちゃいけなくて。結構堅い親なんですけど、その親に「実はよしもとに行こうと思ってるからお金を貸してほしい」とお願いしたら、「前からそっちの方がいいと思ってた」ってまさかの賛成で。で、お金を借りて入って、さあ何しようと。そしたら、いきなりネタ見せがあるとなって。その時にコンビを組みたいとも思わなくて、とりあえず一人でバスガイドのネタをやったら結構ウケて、先生から高評価もいただいて。それで、その年の夏に「新人お笑い尼崎大賞」に出て準優勝をさせてもらったんです。その時に優勝されていたコンビの方が賞金10万円で、2位の私が5万円。これ、結局一人5万円やんって思った時に、絶対一人(ピン芸人)やなと思って(笑)。それで絶対に誰とも組まないと決めて。お仕事もちょこちょこ、1年目からいただいていたのでそれをやらせていただきつつ、でも自分は一体、このままどうするんだろうとか思っていたんです。

――それがどのくらいの時期だったんですか。

堀川 2年目ぐらいですかね。ちょうどその頃に「大阪俳優市場」といういろんな事務所の方が出るお芝居に出させてもらって、それがすごく楽しくて。お笑いでウケても気持ちいいけど、お芝居の中で役として表現してウケたときはもっと気持ちいいなと思って。元々お芝居を観るのがすごく好きで、小学校3年生の時から宝塚をずっと観ていて、観に行くのはすごく好きだったんですけど、自分がそっち側に立つということがこんなに楽しくて、気持ちいいことなんやって初めて知ってからお芝居をやり始めたんです。

――『レ・ミゼラブル』のオーディションも受けられたとか。

堀川 ミュージカルはさすがに観るものやと決めつけていたんですけど、よしもと漫才劇場で歌のイベントがあった時に、私が大好きな「レ・ミゼラブル」の曲のパロディを私主体でやったんです。もう全力で再現して。そしたら音響さんに「漫才劇場が始まって以来の、劇場が揺れるくらい拍手が起きた」って言われて。その時の映像を残していたんです。知り合いにその話をしたら、その方が「知り合いのミュージカル関係者に映像を見せていい?」と。それがきっかけで、「レ・ミゼラブル」のマダム・テナルディエという役のオーディションを受けることになりました。受かるわけないと思いながら、一次審査が通って。二次審査は、会場に10人くらい集められて課題曲を一人ずつ歌うんですけど、もうレベルが違い過ぎて。みんなプロで、私はもう恥ずかしいと思って。私の番が回ってきて、せっかく歌うんやったらって外国人の演出の方の目を1回もそらさず歌ったら、「エミサン、パーフェクト!」って、「絵美さん以外退出してください」ってなって、1時間くらいレッスンして、次の審査に進んだんです。これはもっと本気でやれば、もしかして手が届くのか!?と思って一週間くらいレッスンして、気合入れて次の審査に行ったんですよ。で、髪の毛もすごいきれいにして、服もキレイなワンピース着て行ったら「絵美さん、あなたが演じようとしているマダム・テナルディエは、そんなきれいな格好をしているだろうか」と言われて。ほんまや、これでは落ちる!と思って、「ちょっと待ってください!」って髪の毛をぶわ~ってくしゃくしゃにして、逆毛立てて「これでお願いします!」ってやったら、また「パーフェクト!」って(笑)。その審査で結局ダメだったんですけど、オーディションでめちゃくちゃ勉強になったし、本気で取り組むうちに、本当に出たいと思うようになって。

――そうだったんですね。

堀川 そこからですね、『レ・ミゼ』に絶対出たいという今一番の目標が芽生えたのは。2019年版のオーディションも受けたんですけど、前回とはまた違う演出家の方が見ていらっしゃって、前回よりもっと先に進むことができたのですが、やっぱりまだ足りなくて。それがすごく悔しくて、何か経験を積まなければと思ったものの、大きいミュージカルに出ないと経験は積めなくて。そのチャンスがなかなかないのですが、何か来たときにすぐ掴めるような状態にしておかないとあかんなと思ってるところです。

――なるほど、では「TERRA GIGANT」も経験の一つに。

堀川 そうですね。この作品でも何か一つ成長ができたらいいなと思っています。

――2018年は『タクフェス 春のコメディ祭「笑う巨塔」』にご出演されて、東京でも初の単独をされて。堀川さんのイベントとしては「TERRA GIGANT」が締めになると思うのですが、2018年を振り返ってもらいつつ、作品への意気込みと、2019年に向けて抱負をお願いします。

堀川 今年を振り返ると、この世界に入って今までで一番濃い1年で、大阪で、よしもとで活動しているだけでは絶対に経験できなかったこともできたし、いろんな新しいつながりもできました。いろんなことに気づけた1年でした。自分の未熟さとか、驕りがどこかにあったのかなって思ったり。広いところに出たことで自分のちっぽけさを感じて、もっと頑張らないとって。私は怠け癖がすごくあるのであかんなと思えた年でした。私はお芝居を書くのは苦手なんですけど、でも演じるだけよりも書けた方がいいだろうなと思って。演じるにあたっても、いろんな側面から見れるだろうし。自分を甘やかしたらいけないなという意味でも、こういう内容の作品にしました。ただ、第一には、観に来てくださったお客様に心底楽しんでもらえるものをお届けしたいと思っています。ちょっと早めのクリスマスプレゼントになればいいなと思っています。来年は、正直ほぼ白紙状態で(笑)。実は私は2020年にちょっとした野望がありまして…。この年に芸歴10年目になるので、それを記念して梅田芸術劇場で単独をやりたいなと思っていまして…(笑)。

――メインホールですか?

堀川 はい。メインホールです! 2020年に梅芸で満席でやるにあたってどうしたらいいかを逆算して、来年もっとやっていかないといけないなと思っていて。型にはまらずにやらないとなって。好きなこととか、やりたいことをやったもの勝ちなので(笑)。自分と自分が信じる人たちを信じて、自分が面白いと思うことをやりたいなと思っています。

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【堀川絵美】

Source: よしもとニュースセンター

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